私たちは、著名なメンズパーソナルケアブランド「理然 MAKE SENSE」のために、新しい製品パッケージデザインを手がけました。本デザインは、製品のユーザー体験向上とシーンとの接続性強化に焦点を当て、理然ブランドの識別性をさらに強化しています。
従来のパッケージデザインが外観での差別化を重視するのに対し、今回のアップグレードでは男性ユーザーの使用習慣を研究し、日常の使用シーンにおける課題とニーズを深く洞察。より優れたユーザー体験の実現を目指しました。加えて、倉庫保管、輸送、店頭陳列といった各段階でのパッケージ要件にも配慮し、可能な限りシンプルで環境負荷の少ないデザインを追求しました。
洗髪・ボディケア製品には、従来の透明フィルム包装に代わる「プルリング付きポンププロテクター」を新たに設計。環境に配慮したパッケージ方式を実現しました。
この「プルリング付きプロテクター」は、輸送や陳列時にポンプ部分へのホコリの侵入を防ぎ、未開封であることを明確に示します。ユーザーは初めて製品を使用する際、プルリングを引いてプロテクターを取り外すだけで簡単に使用開始できます。開封の瞬間に“特別な体験”をもたらす設計です。
また、日常的に使用されるシャンプーやボディソープの収納を考慮し、「プルリング」を外した後のプロテクターは、小さなアクセサリーとしてより日常生活に溶け込むように、周辺アイテムと組み合わせて使用できます。例えば、専用に設計されたウォールプレートを使用すれば、シャンプーとボディソープを簡単に壁面に固定でき、見た目も美しく、使い勝手も向上。あるいは、小さなキャリーバスケットと組み合わせることで、外出時の持ち運びにも便利です。
全製品の重要なインタラクションポイントには、「CLICK」という触覚体験エリアを設計しました。ポンプを押すたび、メカニカルキーボードのようなクリスプな音と確かな触感が得られます。これは、男性ユーザーが好むメカニカルな体験に寄り添いながら、日常使用の中で明確な操作感と使用量の目安を提供します。
製品のフォルムディテールはブランド理念を踏襲し、「形態は機能に従う」という原則に基づいています。すべてのディテールは機能性から導き出され、例えばポンプのトップには凹みを設け、押しやすさと操作感を向上します。また、デザインの美学は、理然の「クリーン・シャープ・合理的」というブランドアイデンティティに沿ったものとなっています。
理然は、全製品ラインを擁するブランドであり、多種多様な製品サイズが秩序感を損なうという課題がありました。そのため、私たちは理然チームと共に製品の機能と規格の整理を行い、「グリッド秩序システム」を確立しました。製品パッケージの直径は、小・中・大の3種類に統一し、高さを調整することで容量に対応しました。このシステムにより、異なる製品が組み合わせて陳列された際に秩序感が生まれ、さらに、規格の統一は周辺アイテムの開発においても大きな基盤となっています。